このような事例、どう考えますか?
■症例:40代男性
来院2日前からの発熱、後頚部・左胸・左下肢・左睾丸の痛み
上気道症状なし、消化管症状なし
子供が鼻水出ている
性交渉歴なし
来院前日に近医受診しFlu、COVID-19迅速検査は陰性
WBC16800、CRP12.9、胸部Xp異常なし
来院時、左精巣上体の腫脹あり、両耳下腺のあたりが腫れぼったい感じあり
採血ではWBC15600(好中球77%、リンパ球17%)、CRP17.0、Amy正常値
尿白血球陰性
泌尿器科も受診し、LVFX7日分処方された
■1週間後のフォロー
受診後4日目に解熱、他の症状もおさまった
ムンプス・EBV・CMV既感染、HIV・HBV・HCV・梅毒陰性
尿培養・血液培養・尿淋菌クラミジアPCR陰性
だった。
精巣上体の腫脹はHigh-yieldな症状なので、そこから絞り込むのがよいでしょう。
以下を参照しました。
急性(数分〜数日以内に症状完成)でコモンなのは急性精巣上体炎と精巣捻転症。
その他には、フルニエ壊疽、精巣垂捻転、外傷、パイプカット後の疼痛、鼠径ヘルニア、ムンプス睾丸炎、精巣癌、IgA血管炎(Henoch-Schönlein purpura)、放散痛、急性特発性陰嚢浮腫など。
慢性感染性精巣上体炎
・稀ではあるが、慢性感染性精巣上体炎は精巣の圧痛や異常とは異なる精巣上体の局所的な圧痛や腫れを示し(通常下部尿路症状はない)、健康な青年および男性に発症することがある。
・性行為、激しい運動、自転車やオートバイの運転など、いくつかの要因が素因となることがある。
・慢性または再発性の精巣上体炎を呈する患者は、造影CT、場合によっては前立腺超音波検査により、尿路の構造的異常の有無を評価すべきである。
・身体検査では、腫脹の有無にかかわらず、微妙な精巣上体の硬結と圧痛を認める。
・疑わしい症例では、尿検査、尿培養、淋菌およびクラミジア・トラコマチスの尿中核酸増幅検査を実施する必要がある。
・管理は急性感染性精巣上体炎と同じであるが、まれに外科的な管理まで行うことがある。
慢性非感染性精巣上体炎
・慢性非感染性精巣上体炎は、外傷、自己免疫疾患、血管炎によって誘発されることがありますが、ほとんどの症例で病因は特定されていません。
・特発性非感染性精巣上体炎は、尿が射精管や精管を通って精巣上体に逆流し、腫脹や管閉塞を伴う「化学」炎症が生じた結果であると考えられています。しかし、この病気は、パイプカットの経験がある男性にも起こる可能性があります。
典型的な誘因は、長時間の座位(飛行機や車での移動、座りっぱなしのデスクワーク)、激しい運動(重いものを持ち上げる)です。
急性感染性精巣上体炎とは異なり、身体検査での圧痛や腫脹は少ない傾向にあります。
診断は、慎重な病歴聴取と身体検査によって行われます。多くの場合、患者は以前の抗生物質治療で改善しなかったという病歴を持つ。
管理としては、陰嚢の挙上、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、および症状を誘発する活動の回避が挙げられる。座りっぱなしの仕事をしている男性や、飛行機や車の中で長時間座っている男性には、可能であれば1時間に1〜2分、立ち上がって歩き回るようアドバイスする必要があります。
<www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました>
「科学」炎症って、誤嚥性肺臓炎みたいですね。
今回の症例では、睾丸だけでなく頸部の症状もあったので、ムンプス以外のウイルス性だったのか、培養で検出できなかった細菌性だったのかだと思いますが、わからないままに改善してしまいました。
精巣上体炎のEtiologyを調べた文献がありました。
あと、chatGPTにも聞いてみました。
ちなみに、陰嚢腫脹で発症する結節性多発動脈炎のケースレポートがいくつか出ているようです。
2001年:陰嚢内腫瘤を初発症状とした結節性多発動脈炎の1例
2010年:両側精巣上体に発症した局所性結節性多発動脈炎の1例
2013年:異時性に両側精巣上体に発症した限局型結節性多発動脈炎の1例
2019年:Title陰嚢部から全身症状に進展した結節性多発動脈炎の1例陰嚢部から全身症状に進展した結節性多発動脈炎の1例
症状がぶり返すようなら注意かなと思います。
他にもこんなのがあるよ〜ってのがあれば、教えて下さい!